【ケゾえもんオタク寄稿】原子発見競争の歴史に隠されたヒミツ

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「神は存在するか? その3」

(ケゾえもん 2023.5.17. 記)
1869年メンデレーエフは元素(いまでは古臭い言葉になった。今は原子と呼ばれている)を軽い順にならべてみると周期的に同じ性質を持った元素が現れることに気が付いた。

これは原子同士の化学反応というものが結局電子のやりとりで行われるわけで、その電子には軌道があり各軌道に配置される電子の数は2かけるnの二乗という法則に則っており、したがって化学反応で使われる一番外側の電子の軌道の状態が同じ元素が、周期的に現れるということによる。ざっと説明したけど、これは理解しなくて結構。

つまりメンデレーエフの仮定はおおまかには間違っていなかったと言ってよい。

ところで我々が学校で習う周期律表は研究が進むにつれその新しい知見を動員して改良に改良を重ねたものだ。メンデレーエフが提唱したものとかなり違う。しかも当時は陽子も中性子も電子も発見されておらずしたがって原子番号という概念もなかった。

しかしメンデレーエフの周期律表もその原理は今と同じなので、話を見えやすくするためにメンデレーエフの時代に今の周期律表があったと仮定しよう。そうするとメンデレーエフの時代には、まだ発見されていない原子がたくさんあった。つまりこの表の多くが空欄だったのだ。

従って当時の科学者は元素の秘密を見つけた!空欄の中にはめ込まれるべき元素(原子)がある筈だ、これらを発見できれば歴史に名を残せると考えた。原子発見競争の始まりである。

周期律表の縦列を族と呼び、同じ族は似た性質を持つとされる。たとえば11族を見て欲しい。銅、銀、金と並んでいるではないか。

また18族のネオン、アルゴン、クリプトンなどはそういう原子があるはずだとの探求から見事それらが発見されている。もっともこれらは不活性ガスという特殊な事情があり、似て当然の特殊例であったわけだけど。

ここで原子発見と言ってもエアーの中に酸素がある、僕は酸素発見したと騒いでも誰も評価してくれない。新元素発見と主張するためには、その原子の純粋なものの一定量を確保(単離)してその原子の原子量(重さ)を確定し、その原子の典型的な性質を明らかにして論文を書かねばならない。

したがって酸素の発見は意外に遅く、1774年イギリスのプリーストリーによる。

それで調べるとスェーデンがニッケル、バリウム、塩素、モリブデン、セレン、ランタン、テルビウム、エルビウム、ツリウム、スカンジウムと10種類も発見してしまっていることに驚かされる。もはやお家芸と言ってよい。スカンジウムなどかなり愛国的なネーミングがつけられている。

とにかく研究者の努力により周期律表の空欄はすべて埋め尽くされるという結果になった。

個人がこつこつ研究して原子を発見するのはピエールキュリー、マリーキュリーの原子番号88のラジウムが最後でそれ以上になると原子は不安定になり自然界には存在せず加速器によって作りださなくてはならなくなり、個人ではなくプロジェクトが発見するようになった。

こうしてみると結局、原子の種類というのは陽子の数が1から118までひとつづつ増えていっただけのもので、1から118まで結局ひとつも欠番がなかったということなのだ。そして1から88まで個人の努力ですべて発見できたというのは、つまりこの地球に1から88までの原子がすべてあったということでこれは尋常なことではない。
(続く)
ケゾえもん 記



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