【ケゾえもんオペラ寄稿】薔薇の騎士について語りたい その11

(2023-10-30 ケゾえもん記)

告白すると劇的にしようと、ちょっととぼけていたのだ。
実は私は「薔薇の騎士について語りたい その1」を書いた後に薔薇の騎士に関するわたしのコレクションを整理して、それを発見していた。

前にも言ったが私はネットで知り合った海賊盤製作者・・彼を仮にファントムと呼ぼう。ファントムからいろいろなものを買っていた。

クライバーではボエーム、オテロの映像付き。1987年大阪でのトリスタンとイゾルデ。
アバドと伊藤みどりのチャイコフスキーバイオリンコンチェルト、アバドとベルリンフィル
のランスへの旅。ミレッラフレーニーリサイタル。その他コンサート、オペラ多数。

ファントムのやり方はどこかで良い音源をみつけてきて、テレビ録画の音質の悪いものと
ドッキングさせて鑑賞に耐えるDVDを作ること。彼の商品はまさに創造であり、たくさんあって聞いている暇はないんだけど、彼といつまでコンタクトが取れるかわからないので、私はもう網羅的に購入していた。

クライバーの薔薇の騎士の東京公演のあとに彼の商品に「薔薇の騎士 東京公演」の音声録音が加わった。だれかが密かに録音したもののようだった。クライバーはその6回の東京公演の中継はおろか録音も許可しなかったようだ。だからこのソースはお宝にあたる。私はそれを購入した。(なぜ自分で録音しなかったって?演奏に集中したかった。特別なイベントだったからね)

ちょっと聞くとなかなかの音質のように思えた。しかしそれはCDではなく画面の出ないDVDになっておりリッパーを使ってもなかなか音声ファイルだけを取り出すことが難しかった。
ファントムはクライバーものを商品として大事にしており、これも複製をし難くする方策だと思われた。私が気にいらなかったのは複製できないことよりDVD化することにより音質が劣化することだった。クライバーものはとりあえず私には大事なのだった。

そこで私はファントムにわたしなりの値段を提示してWAVEファイルを送ってもらうわけにいかないだろうか?と聞いてみた。彼は少し躊躇したようだったがOKを出し、私は金額を振込み、彼はそのWAVEファイルが入ったCDを郵送してきた。私はそれを聞きもせず、いつか何かに使うつもりでコレクション棚にしまい込み、いつの間にか20数年が経過したのだった。そのWAVEファイルが入ったCDを「その1」を書いた後見つけたのだ。薔薇の騎士のコラムを書く必要性からその音声ファイルを再生して見たのは当然の帰結である。従って私は「その2」以降はこのWAVEファイルを聞いている状態。このCDよくも紛失しなかったものだと思う。

結論を言おう。このWAVEファイルには私が1994年に6回聞いて感動した三重唱の「あれ」がちゃんと入っていたのだ。もう涙が出るほどうれしかった。多少の脳補完は必要だが、充分補完できる内容をこの録音は持っている。あの三重唱はよみがえった!

これを聞いて私は分析を開始した。なぜウィーン盤ではクライバー自身の演奏なのにあの雰囲気を再現できなかったのか?なぜエーリッヒ・クライバーの録音の方がまだ、あの日の感じを感じられたのか?

(ケゾえもん)



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